ギラン・バレー症候群 治療とリハビリの記録

2018年3月にギラン・バレー症候群を発症してから米国ハワイで治療とリハビリを行なってきた。アメリカと日本の比較も含めて参考までに治療の経緯を記録する。

アメリカのリハビリ

いよいよ本格的なリハビリが始まる。

最初に説明を受けて、リハビリの時間は1日3時間で基本的には、理学療法(フィジカルセラピー:PT)、作業療法(オキュペーショナルセラピー:OT)、言語療法(スピーチセラピー:ST)の3つをそれぞれ1時間ずつ受ける。そして休みが週に2日ある。それを聞いて、

「何だ、そんなに休みがあるのか。休みなんていらないからもっとリハビリをやりたい。」

なんて思ったけれど、すぐにアメリカのリハビリの恐ろしさを知ることになる。。。

 

Rehabilitation Hospital of the Pacific(以降、Rehab)はハワイ州で実績No.1と言われるリハビリ専門病院である。部屋はシャワー室がある個室で、妻も部屋に寝泊りすることができた。施設はきれいで食事も美味しくてとても快適な病院だった。

3階建ての建物で各フロアに病室とリハビリをするジムがある。ジムには他の患者さんもたくさんいて、ほとんどはお年寄りである。室内プールもあって、そこそこ広いプールを1人で占有してセラピーを受ける。プールの天井は開閉式でホノルルの青空が見えて気持ち良かった。

 

理学療法・・・

主担当の療法士は毎日熱心にいろいろなセラピーのメニューを考えてくれて一番お世話になった。

セラピーではとにかくハードな筋力トレーニングを課せられて、毎日ヘトヘトになり筋肉痛もひどかった。ギラン・バレーのリハビリは疲れすぎてはいけないと聞いたけどなあと思いながらも、これが最先端のリハビリなんだろうと信じて必死でついていった。

 

作業療法・・・

上半身の筋力トレーニングが中心だが、ブロックやビデオゲームを使ったトレーニングやお風呂に入る練習なども行われた。複視の症状があったのと、右目の回復が遅れていたので目のトレーニングもたくさん受けた。


言語療法・・・

毎日、朝食や昼食の時にパンや水などを飲み込めるかどうか確認して、段階的に飲食が許される物を増やしていった。嚥下訓練は約1週間で終了して普通の食事ができるようになった。

しかし、相変わらず食べることは難しくて舌をよく噛んでいた。喋る時にはまだ呂律が回っていなかったが、この病院では発話の訓練はしなかった。その後は顔や舌のエクササイズの宿題を自分でやっていた。

 

 

リハビリはとにかくきつくて、こんなに体力的に追い込むトレーニングをするのは20代の頃以来だと思った。。。周りはお年寄りが多いから比較的軽い運動をしているけれど、僕は麻痺しているとはいえ一応全身が動くので、ジムでは1人だけ大汗をかいて息を切らしながらトレーニングをしていることが多かった。周りの患者さんはそれを不思議そうに眺めていた。

ギラン・バレー症候群の場合、日本では教科書通りにあまりリハビリで無理をさせないことが多いかもしれない。しかしやはりリハビリは療法士が適切に判断して、いけるところまで追い込むのが正しいやり方だと思う。アメリカのリハビリのレベルが高いと言われるのは、それができる療法士が多いからだろう。アメリカで療法士になるには大学院で博士号を取得しなければならなので、当然、能力や知識レベルが高い。