ギラン・バレー症候群 治療とリハビリの記録

2018年3月にギラン・バレー症候群を発症してから米国ハワイで治療とリハビリを行なってきた。アメリカと日本の比較も含めて参考までに治療の経緯を記録する。

ICUを出る

2018年4月9日

前日に引っ越して来た病室にはシャワー室があったので入院してから初めてシャワーに入った。それまでは、ベッドに寝たままの状態で洗剤やイソプロピルアルコール!を使って体を洗ってもらっていたので、シャワーは気持ちよかった。

スピーチセラピーの時に、明日嚥下(飲み込み)のX線テストをすると言われた。飲み込んだ時に誤嚥(誤って食道ではなく気道に入ってしまうこと)すると肺炎になることがあるので、正しく飲み込めているかどうかX線画像を見ながら確認するのである。このテストをクリアすると、経鼻チューブを外して口から食事をすることができるようになる。

 

2018年4月10日

嚥下のX線テストを受けた。

このテストに通ればチューブが外れるので気合いが入っていたが、結果としては粘度の低いジュースを飲んだ時に完全に気道に入っていくのが見えたらしく、うまくいかなかった。自分でも液体をどうすれば正しく飲み込めるのか分からなかったので、まだチューブを外す段階ではなかったのだろう。またしばらくトレーニングが必要になった。

アメリカでは比較的簡単にできてリスクの少ない手術は積極的に行われるようである。経鼻チューブをいつ外せるか分からないし、胃瘻手術をすればリハビリ病院への転院も可能になるので、ナースやセラピストはみんな手術をした方がいいと言っていた。やはりアメリカ人は合理的。

しかし、インド人のヒロNo.1ドクターはもう少しでチューブが取れるかもしれないのだからしばらく様子を見た方がいいという意見だった。

 

2018年4月11日

僕自身もこの時は少し急ぎ過ぎていたかもしれない。胃瘻手術をしてでも早くホノルルに行ってリハビリを進めたいと思っていた。ドクターを呼んで今後のことを相談することになっていた。

しかし、ここで問題が起きた。午前11時頃に急に胸のあたりが痛くなって看護師を呼んだ。痛みが大きく顔面が蒼白になり、心拍数、血圧が低下した。

ドクターが呼ばれて心電図検査をした。一時、病室が騒然となったが、しばらくすると痛みは落ち着いてきて、その後超音波で心臓の検査をした。心電図や超音波検査で心臓に異常はなく、血管迷走神経反射というもので胸が痛くなったり、失神したりするそうである。

そんなこんなで転院するような状況ではなくなった。騒動の最中に来たドクターと妻が話をして、胃瘻手術もやめてしばらくこの病院で元気になるまで様子を見ることになった。

騒ぎも落ち着いた夕方になってから、あなたはもうICUを卒業ですと言われた。「えーっ、今!?」と思ったが、1ヶ月もいたICUを出て、Progressive Care Unit (PCU)というICUと一般病棟の中間の病室に移動することになった。